旧日本軍 兵式 ロ号 飯盒
日本軍の飯盒というとよく見かけるのは、
この兵下士官用の兵式飯盒またはロ号飯盒になります。
吊り手が付いた外盒(本体)と内部に収納される掛子(中子)に蓋の3パーツからなっており、
アルミ製にて表面は鈍重な色合いの辛子色にて塗装されています。
紹介品はほとんど使用されていないものであるために、
製造時の塗装がほとんど剥げておらず当時に近い状態を保っていますが、
(アルミの腐食である白いカビのようなものはありますが・・)
市場で見かけるのは黒塗装の物が中心です。
製造時より黒塗装品の物ももちろんあるのですが、
軍務等で幾度となく使用した際に煤によって黒ずんでしまった物や、
中には使用品を再利用する際に塗装したものということで、
またあまりにも破損がひどい物は処分されるので
使用できるもののみ選び出し組み合わせたがために、
製造年等の刻印が不揃いであるのもそれが理由だということです。
ロ号飯盒の塗装がある程度残っているものでも、
飯盒炊爨で使用されるとどうしても下部が黒ずんでしまうので、
紹介品レベルの状態の良い物は意外と見かけません。
刻印は那須アルミニューム製を示すニギリ矢で昭一七にロ号と記載されています。
旧日本軍の飯盒でよく見かけるものはこのニギリ矢マークのものが多いのではないでしょうか?
蛸足背嚢のストラップを革通しに通して固定した姿はなかなかの見目の良いものです。
先に紹介した組み合わせ品の兵式飯盒になります。
煤で黒ずんだものや再利用するために黒色塗装したものであることが良く分かります。