日本軍 千人針 腹巻
千人針とは、戦時中に出征する将兵が無事に生還をすることを祈って、
諺の「虎は千里往って千里還る」にあやかるために、
白布に赤い糸で一縫いづつ女性達から縫ってもらった御守として有名なものです。
銃後の女性たちの生還祈願の思いが託されたある種の神秘性を感じるお品ですね。
この千人針が戦場から無事に生還をすること、弾除けのお守りとして
普及し始めたのは日露戦争の頃からだとのことで、
日本全国により拡がり始めていったのが支那事変頃からとのことです。
これも色々なバリエーションがありコレクションとして面白い一品になります。
この紹介品の千人針は、尉官将校の行李から出てきたものです。
紹介品の千人針の腹巻は右端に武運、左端に長久の戦時中によく使われた四字熟語に、
その中央は赤い糸縫いで虎を形どっています。
これは、どういう理由であるものか使用されなかった代物のようでして、
全くと言っていいほど傷汚れがなく極美品と評価できる状態でした。
紹介品は千人針の名称の如く、実際に1000の数の赤糸縫いがあるかどうかですが、
じっくりと数えたわけではなくとも、ざっと眺めてみた感じではその数はないようです。
いかに千人針といえどその糸縫いの数を集めるのは容易ではないということでしょう。