日本海軍 後期型水筒
旧日本海軍の後期型の水筒になります。 耐食性や耐摩耗性の向上を図るためにアルミウムのアルマイト加工をしたもので、 市場でよく見かける海軍水筒といえば、この型になります。
陸軍は将校のみが水筒覆が付きますが、海軍の場合は階級の別なく同型水筒です。
この海軍後期型水筒ですが、おおよそ昭和10年代に制定支給されたようで、
その年代によって形状や各部品に若干の違いがあるようです。
また水筒覆いですが、紹介品は薄汚れたクリーム色となっていますが、
これは経年や使用による脱色または変色が発生したためであり、
本来は緑系色となっています。(なかなか本来の色を保っている水筒は見かけません。)
中央に砲ノ二二一とありますが、これは部隊の通し番号であり、
この水筒が個人所有ではなく部隊の貸与品であることを意味します。
この丸に砲の意味ですが、おそらく海岸砲兵部隊所属ということでしょうか?
(これは私による全くの憶測になりますのでご注意ください)
上部脇の金具鳩目が一部欠損しているのが残念です。
金属色そのままなのが初期製造ロットで、黒色処理をしているのが後期製造品と聞いています。
こちらは、廈門特別根拠地隊に所属していた大尉の海軍水筒です。
将校と兵下士官の別なく同型の水筒をしようしていたことがこれでわかります。
廈門(アモイ)は中国の福建省にある都市名であり、
特別根拠地隊は、根拠地の管理や防護を任務とする陸上部隊になります。
こちらも水筒覆いの色褪せがありますが、欠品パーツがなく、
比較的程度の良いと思われるものになります。